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『自然から得られる環境省エネ断熱技術』


空気と植物を組み合わせた断熱技術(Air Plant Barrier Technology)

空気は、生命の温熱バリア。
植物(木材)は、生命の根源。
この空気と植物を組み合わせた自然が100%活かされた究極の断熱技術の提案。


1.生活温熱環境と異常気象問題

我々が手にした、科学技術と化学物質による経済の発展は、生活の向上に貢献し、誰もがその恩恵を受けられるまでに至っている。
この様な経緯の下、化石燃料や資源の大量消費から得られる、利便性や温熱環境の改善は、人々の欲求が満たされ、無条件に受け入れられている。
これらの技術や経済の発展から、人類史上初めて経験する異常気象問題へ至る状況となっている。
そして、人間の活動による環境破壊は、我々自身の生存の危機へ直面していることが認識され、経済より環境への優先が「パリ協定」によって、批准採択されている。


2.現在推進されている省エネ技術の矛盾

科学技術の発展は、様々な資源やエネルギーの消費が前提となっている。
そして、我々が手にした「人工的な環境」を維持するのも、大量の資源やエネルギーが必要となっている。
このような状況の下、環境保全の対策として、化石燃料の依存から、再生可能エネルギーへの移行に重点が置かれている。
しかし、現状の省エネ対策に於いて、省エネのために使われる断熱材の製造などに伴う、資源やエネルギーの見え難い浪費が起きている。
現在の建築物の外皮構造の断熱施工の殆どは、環境負荷が大きく、その改善は緊急課題である。


3.地球と自然と温熱バリア

我々は、空気の温熱バリアで保護され、植物による衣食住に賄われて生活を営んでいることを自覚しなければならない。
宇宙空間は、真空とされている。 地上の空間は、大気で満たされている。
地上の大気は、対流による熱移動が起きるため、空気の対流を抑えると断熱の空間構造が簡易にできる。
断熱材の殆どが、空気を閉じ込めた構造になっている。
空気が動けない状態を製造製品化した、断熱材は蓄熱の要素を持つ。
これを空気の対流特性を活かすと夏期の蓄熱現象が改善できる。
本提案は、地上の空間に空気の対流が起き難い空気層仕切り板を設けた構造とし、同空気層仕切り板は、発熱要素が極めて少ない植物(木材)を用いた、自然そのものを応用した断熱技術である。
同空気と植物を組み合わせた、自然を応用した断熱技術の提案は、断熱材をつくるために必要となる、資源やこれに関わる様々なエネルギーの消費を極限まで抑えるため、脱炭素革命の先端を担うことができる。


4.空気の対流特性の利用が蓄熱現象を緩和

同断熱技術では、複数の空気層と仕切り板を設け、夏期に高温発熱が起きる屋根材や壁材の影響を受ける、外皮側空気層の空気の温度上昇から起きる比重差を利用して、同空気の排出を屋根最上部の簡易型ダンパーと、壁面最下部の空気吸入口を設け、外皮側空気層や各空気層仕切り板が、蓄熱現象が起き難い特性を発揮できる構造となる。
これは、空気の対流特性を利用したものである。


5.暑くても快適な温熱バリア

夏は酷暑となる日本独自の気象条件に於いて、高温発熱が起きる屋根材や外壁材からの熱伝播を受けると、外皮側の空気層の空気は容積が少ないため、外皮建材の発熱影響を受け温度上昇が起きる。
殆どの断熱材は、空気の対流移動ができ無い構造になるため蓄熱現象が起きる。
同工法は、外皮側の空気層に吸入と排出の機能を設けてあるため、外皮側の空気の対流による温度低下が起きる。
また、極めて発熱が少ない植物(木材)の空気層仕切り板と、熱を伝え難い空気層によって、冷房機器の使用が0~1/10程度となり「暑くても快適」な生活も可能となる。
これは、夏の暑い日に木陰にいる条件の再現となる。
太陽からの光の熱エネルギーを木の葉で遮り、さらに、発熱の少ない雑草など植物に囲まれた自然環境が、空気と植物を組み合わせた断熱工法の原点となる。


6.脱炭素へ貢献できる自然応用断熱技術

地球上で生物が生き残るためには、異常気象問題の直接原因となる温室効果ガスの発生抑止と、再生循環が不可能な資源の消費を極力抑えることに尽きる。
これまでは「断熱材を用いなければ断熱が出来ない」という先入観から、省エネのための資源やエネルギーの大量消費が当然必要であると思われていた。
無償で誰もが平等に使え、性能劣化が起き難い”空気”と、再生循環を繰り返す”植物”を組合せた建築物の外皮構造は、地球の温熱バリアの性能を再現した、脱炭素を目指す先導的な技術となる。

”空気と植物(木材)”を組み合わせた建築物の外皮構造は、自然の能力が活かされた究極の省エネ技術として、「持続可能な社会」への道標として、脱炭素への技術革新の根源を担うものと確信し、北辰住宅技研の建物には標準装備している。
また、この技術を取り入れたいと考えるビルダーには積極的に指導・普及に努める。