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省エネ対策と環境問題


〜本当はこんなはずではなかった省エネ対策〜



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1.省エネを優先した結果、健康被害に...

 住環境において、建材や家具、家電から日用品まで、省エネのみだけを目的にした高気密化の結果、環境を守るために省エネ対策に取り組んだのに、省エネ対策を考えた人間自身に健康被害が起きてしまいました。

 地下資源から取り出した化学物質は、現代生活の中に隅からすみまで行きわたり、経済的にも実用的にも無くてはならない存在となりました。
 住環境の中でも、建材や家具家電から日用品まで、あらゆる物に化学物質が使われ、その上、省エネ性能を満たすため、高気密高断熱化したため、健康被害に直面しました。

 我々の祖先は、自然物質の応用を重ねてすばらしい建築文明を築き上げてきました。
 これらの伝承文化が自然の大切さを教えてくれています。
 日本には古都を中心に、伝統的建造物がたくさん見受けられます。
 自然素材のみでつくり上げられた自然の美しさは、自然界の生態の一部である人間に、最も適した住環境であることをあらためて認識する時ではないでしょうか。



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2.人工的につくられた省エネ機器は、環境にやさしいのか???

 「オール電化住宅は、環境に優しい」と宣伝している住宅会社が見受けられますが、ちょっと誤解を招くのではないでしょうか。

 確かに電気エネルギーは、その場では炭素や酸素を消費しないし、二酸化炭素や炭素粒子を出しません。
 しかし、現時点の火力発電のエネルギー変換効率は40%程度です。そして、送電ロスが2%前後。
 また、電気を熱エネルギーに変換するときは、変換効率が50%程度になってしまいます。
 100のエネルギーを電気へと変換して、電気を熱エネルギーに再変換すると、19~20%程度のエネルギー効率になってしまいます。
 80%前後が変換により損失し、大気に廃棄されるため、地球がギブアップ状態です。

 また、その電気を使う家電製品の耐久年数は、どのくらいを想定して設計されるのでしょうか。
 性能を維持するための補修用部品は、8年間の保管が義務付けられていますが、修理費が高く設定されるため、実際には使い捨てのシステムが構築されているのが現実です。



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3.月々わずかな省エネでも 住宅ローンの終了までには莫大な積立に

 環境先進国であるドイツでは、冬季になると、室内温度を極力下げてセーターの重ね着などで対処するよう、幼稚園の頃から、徹底して省エネ教育をします。

 現代文明のエネルギー源は、地下に固定化された炭素です。
 この炭素を空気中の酸素を使って、膨張や発熱のエネルギーとして利用したのが、地下資源応用文明です。

 炭素と酸素の結合によって排出される二酸化炭素やその他の廃棄化学物質は、地上すなわち空気中には受け入れられないほど絶対量が増しています。

 エネルギー消費の結果から生まれる廃棄物を、これ以上空気中に押し込むのは無理ではないでしょうか。
 炭素と酸素消費を最小限に済ませる感覚と自覚が何より大切であり、喫緊の課題です。



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4.健康を優先し 自然と調和できる省エネ対策

 断熱材には、いろいろな材料が使われてきました。
 化学系の断熱材のほとんどは、発がん性物質を含まれたものが大多数です。
 化学系の断熱材は、廃棄処理においても環境負荷を与え、処理するためにまた、新たなエネルギーを使います。

 環境と健康を優先させるためには、自然素材の利用しかありません。
 自然と調和できる省エネ対策として、空気の特質をぜひ理解してください。

 空気の熱伝導率は、0・020kcal/(mh℃)と、化学系の高性能断熱材の断熱能力を上回ります。
 空気に対流が起きない工夫をすると断熱性能が発揮され、窓や壁構造、床に応用すると呼吸ができる最高性能の断熱材になります。

 例えば、夏の屋根材は気温33℃で、75~77℃まで上昇します。 
 が、空気は移動すると冷却能力を発揮します(秒速0・6mで空気接触面の温度は1℃冷却されます) ので、屋根材の直下に60㎜程度の空気層をつくるのです。
 たった60㎜程度の空気層で、上昇気流が発生し、屋根からの焼け込んだ空気を冷却できるのです。



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5.空気は最高の断熱材 空気は無料の冷却装置

 空気特性の応用技術を、これからもっと理解していかなければなりません。

 空気中の主な成分は、窒素・酸素・二酸化炭素その他の成分で構成されていますが、その主な成分以外で、重要なのにあまり認識されていないのが、空気中の水の粒子と熱エネルギーです。

 空気中の熱エネルギーは、太陽からの赤外線や可視光線の電磁波から受けた畜熱量と、空気中の湿度が相対するバランスを保っています。

 つまり空気の温度によって、湿度は増減しています。

 この空気中の水粒子に、電磁的特性を持つ空気を、断熱と冷却の相反するそれぞれの特徴を生かし応用することが、自然環境を維持するために、必要なことだと考えます。



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6.「夏はガマンできる暑さ」「冬はほどほどの暖かさ」で自然と共生できる家

 温熱環境の快適性を追求したあまり、自然環境に対し、かつてない負荷がかかっています。
 利便性や経済性が日常生活の中で巨大化すればするほど、大気汚染を進行させます。
 現代生活に欠かせない自動車などの内燃機関は、膨張エネルギーの利用のみで熱エネルギーのほとんどを空気中へ廃棄しています。
 その他冷房設備の熱交換もヒートアイランド現象となる環境破壊の主因となっています。


 人工的につくられた快適さは、自然の快適さに遠く及びません。

 クーラーを使わないで我慢できる暑さの家は、意外と快適であることに気がつくと思います。
 そう、夏の日に、木陰で風に吹かれている感覚です。
 爽やかな汗をかくことで、体内の不要な老廃物や化学物質などの毒素も排出できます。


 輻射暖房である床暖房などは超省エネで快適です。
 お家の縁側や、石垣に寄りかかって、日向ぼっこをしませんでしたか。
 エアコンや石油ストーブなどは直接室内空気を暖める対流熱方式なので、頭が暑く足は寒く不快であり、また、かえって不経済ともいえるのではないでしょうか。